屋根にカビが生える原因と対処法を徹底解説

屋根に生えたカビは、見た目だけでなく建物の寿命にも影響します。

適切な対処をするには、原因や影響、メンテナンスのタイミングを理解しなければいけません。放置すると、建物の劣化が進み、雨漏りにつながる可能性があります。

この記事では、屋根にカビが生える原因と対処法などを解説します。カビ対策の正しい知識を身につけ、建物の寿命を延ばし、快適な住環境を維持しましょう。

屋根にカビが生える原因

日本の多湿な気候は、カビの繁殖に適した環境を作り出します。雨や雪、湿った空気にさらされ続ける屋根は、常に湿気を含んでいる状態です。

また、屋根の上に落ち葉や枝が溜まると、分解する過程で湿気が生じます。近くに木が生えている場合は、日当たりが悪くなり乾燥しにくくなるため、湿気がこもりやすいです。

さらに、屋根の形状や勾配も関係しています。勾配が緩やかな屋根は水はけが悪く、湿気が長く残りやすいです。複雑な形状の屋根では、水が溜まりやすい部分ができてしまい、カビの温床になる可能性があります。

これらの要因が複合的に作用すると、屋根にカビが生えやすくなります。

適切な対策を講じるには、原因を理解し根本的な改善を目指さなければいけばいけません。

カビが屋根に与える影響

カビが屋根に与える影響は、3つあります。

  • 劣化を早める
  • 美観を損ねる
  • 健康被害を起こす

それぞれ詳しく解説します。

劣化を早める

カビの菌糸は屋根材に侵入すると、構造を徐々に破壊していきます。とくに、木材やコンクリートなどの多孔質な材料は影響を受けやすく、強度が低下しやすい傾向です。

また、カビは酸性物質を分泌するため、金属部分の腐食を促進します。これにより、屋根の耐久性が低下し、雨漏りのリスクが高まります。

さらに、屋根材の表面が荒れると、紫外線や風雨による劣化が加速しやすいです。

定期的なメンテナンスを怠ると、カビによる劣化が進行し、屋根全体の寿命を大幅に縮めます。建物の長寿命化には、早期発見と適切な対処が欠かせません。

美観を損ねる

カビが生えると黒や緑、茶色などの斑点や筋状の汚れが現れ、建物全体の印象を悪くします。とくに、明るい色の屋根材では目立ちやすくなるため、外観価値を損ねるでしょう。

美観の悪化は、見た目の問題だけではありません。不動産価値にも影響を与え、売却や賃貸の際に不利になる可能性があります。

また、近隣からは管理不足と捉えられかねません。

美観を維持するには、定期的なメンテナンスが必要です。カビを予防し美しい印象を保てば、建物の価値を守るだけでなく、住む人のモチベーションにもつながります。

健康被害を起こす

カビの胞子が空気中に飛散すると、呼吸器を通じて体内に入る可能性があります。その結果、さまざまな健康問題を引き起こすリスクが高まります。

とくに、被害を受けやすいのは以下の方です。

  • アレルギー体質の人
  • 子供
  • 高齢者
  • 免疫力の低下した人

おもな症状は、喘息やアレルギー性鼻炎、皮膚炎などです。重症化すると、慢性的な呼吸器疾患につながる可能性があります。

また、カビの中には有毒物質を産生するものがあり、長期的な曝露は深刻な健康被害を引き起こしかねません。

屋根のカビ対策は、建物の保全だけでなく、居住者の健康を守るためにも必須です。

カビが生えやすい場所や建材

カビは、特定の条件下で繁殖します。とくに、北向きの屋根面は日当たりが悪く乾燥しにくいため、生えやすい傾向です。

また、樹木の近くや日陰になりやすい部分も注意しなければいけません。

屋根材の種類によっても、カビの生えやすさは異なります。多孔質な材料(コンクリート瓦や木材)は水分を吸収しやすいため、温床になりやすいです。

金属屋根は比較的生えにくいですが、結露による水分の滞留には注意しなければいけません

屋根の形状も影響します。勾配が緩やか、複雑な形状の場合は水はけが悪いため、発生しやすいです。

また、屋根と壁の接合部や、煙突周りなどの細部も水分が滞留しやすい場所です。

カビを予防するには、これらの場所や建材を把握し、定期的なメンテナンスをする必要があります。

屋根のカビを発見する方法

屋根のカビの早期発見は、建物を維持する上で欠かせません。発見する方法は、4つあります。

点検方法内容注意点
目視点検地上から双眼鏡などを使用し、黒や緑、茶色の斑点や筋状の変色を確認高所作業は危険なため、専門家に依頼することを推奨
屋根裏点検屋根裏の湿気やカビ臭さをチェック換気不足や断熱材の劣化にも注意
雨樋・軒先の確認黒い粒状物(カビの胞子の可能性あり)の有無をチェック定期的な清掃も必要
季節ごとの点検特に季節の変わり目や大雨の後に注意湿度が高くなる時期はカビの発生リスクが上昇

これらの方法を組み合わせて定期点検をすれば、早期発見と適切な対処が可能です。少しでも疑わしい点があれば、専門業者に相談しましょう。

素早く発見できれば、屋根の寿命を延ばせるだけでなく、大規模な修理を防げます。

屋根にカビが生えたときの対処法

屋根にカビが生えた場合は、範囲と程度を確認しましょう。軽度ならカビ取り剤を使用して自身で除去できる可能性があります。しかし、安全面を考慮するなら、専門業者に依頼するのが最適です。

専門業者に塗装を依頼した際の流れと注意点は、以下のとおりです。

対処ステップ内容注意点
1.状況確認カビの範囲と程度を慎重に確認高所作業は危険なため、専門家に依頼することを推奨
2.洗浄高圧洗浄機を使用して屋根表面を徹底的に洗浄カビだけでなく、苔や藻類も同時に除去
3.乾燥屋根を完全に乾燥させる十分な乾燥時間を確保することが重要
4.下地処理防カビ効果のある下地処理剤を塗布適切な下地処理が塗装の耐久性を高める
5.塗装耐久性と防カビ性能に優れた塗料で屋根全体を塗装フッ素系やシリコン系の塗料が一般的
6.メンテナンス定期的な点検と清掃を実施年に1〜2回程度の点検を推奨

カビ対策は一時的な処置だけでなく、長期的な視点での対策が欠かせません。状況によっては、屋根裏の換気システムの改善をするなど、根本的な対処も必要になるでしょう。

専門業者に依頼する際は、使用する材料や施工方法、アフターサービスなどを確認してください。

屋根にカビが適切なメンテナンスのタイミング

屋根の適切なメンテナンスは、カビの予防と建物の長寿命化に欠かせません。点検は年に2回、春と秋に行うのが推奨されています。これらの季節は気候が穏やかで、屋根の状態を確認しやすいためです。

また台風や大雨の後は、強風や豪雨によって屋根材が損傷を受けている可能性があるため、点検をする必要があります。落ち葉が多く積もる秋の終わりも、清掃を兼ねた点検をすべきでしょう。

さらに、メンテナンスの頻度は屋根材の種類によっても異なります。コンクリート瓦は10〜15年、金属屋根は15〜20年ほどで塗り替えが必要になる場合が多いです。

定期的な点検では、以下を確認しましょう。

  • カビや苔の発生
  • 屋根材のひび割れや剥がれ
  • 雨樋の詰まり

小さな問題でも早期発見し対処すれば、大規模な修理や取り替えを防げます。適切なタイミングでのメンテナンスは、屋根の寿命を延ばし、カビの発生を防いでくれます。

屋根の塗装業者選びのポイント

屋根の塗装業者選びのポイントは、3つあります。

  • 施工実績と評判をチェックする
  • 施工方法と使用する塗料について確認する
  • アフターサービスの内容を確認する

それぞれを詳しく見ていきましょう。

施工実績と評判をチェックする

長年の経験を持つ塗装業者は、さまざまな屋根の状態や問題に対処してきた実績を持っています。施工実績の多さは、技術力と信頼性の証といっても過言ではありません。

業者を選ぶ際は、過去の施工例や施工件数を確認しましょう。ホームページに掲載されている実績を参考にするのもよいですが、実際の施工現場や完成物件を見学したほうが判断しやすいです。

口コミやSNSなど、さまざまな情報源から評判を収集しましょう。とくに、施工から数年経過した物件のオーナーの声は、耐久性や長期的な満足度を知る上で貴重です。

施工実績と評判の確認は、数字だけでなく、業者の姿勢や対応の質も見極めるべきです。丁寧な説明や的確な回答ができるところは、施工後のフォローアップを期待できます。

施工方法と使用する塗料について確認する

優れた塗装業者は、下地処理から仕上げまでの各工程をわかりやすく説明してくれます。屋根塗装の品質を確かめたい場合は、施工方法と使用する塗料を確認しましょう。

注目すべきなのは高圧洗浄の方法や下地の補修方法です。塗装の耐久性を高めるには、カビや苔を完全に除去し、適切な下地処理をする必要があります。

また、乾燥時間の確保や塗り重ねの間隔などにも注意を払っているか確認するべきです。

使用する塗料を確認する際は、種類や特性、耐久年数に注目しましょう。フッ素樹脂系やシリコン系など、高耐久性の塗料を使用していると、高品質な仕上がりを期待できます。

さらに、塗料の製造元や品質保証も確認してください。信頼できるメーカーの製品を使用し、適切な施工方法を採用している業者を選べば、長期的な屋根の保護とカビ対策を実現できます。

アフターサービスの内容を確認する

長期的な屋根の維持をスムーズに管理するには、優良な塗装業者を選ぶ必要があります。選ぶ際の基準は、以下のとおりです。

選考基準内容重要性
保証期間一般的に5〜10年ほど長期的な安心感を得られる
保証内容塗膜の剥がれ、変色、カビの再発生など具体的な保証範囲を把握できる
定期点検頻度と内容早期問題発見と予防的メンテナンス
緊急対応24時間対応の有無、連絡方法突発的な問題への迅速な対処
追加サービス清掃、小規模修理など総合的な屋根のケアが可能

アフターサービスの質は、業者の信頼性と技術力を反映しています。充実したサービスの提供は、施工品質に自信を持っている証です。

契約前に内容を確認し、長期的な視点でのメンテナンスを考えましょう。適切なアフターサービスがあれば、屋根の寿命を延ばせるだけでなく、カビの再発を防げます。

関連記事:屋根修理詐欺の代表的な手口、勧誘トークと信頼できる業者の選び方

まとめ

屋根に生えたカビは、見た目が悪くなるだけでなく、建物の寿命や居住者の健康にも影響を与えます。したがって、原因を理解し、適切な対策を講じなければいけません。

定期的な点検と早期発見、信頼できる業者による適切な処置があれば、根本的な改善ができます。

屋根の塗装やメンテナンスを行う際は、施工実績や評判、使用する材料や方法、アフターサービスなどを総合的に判断して適切な塗装業者を選びましょう。

カビのない美しい屋根を維持し、安心して暮らせる住まいを実現してください。

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屋根のひび割れはなぜ起こる?その原因と補修にかかる費用

屋根のひび割れは、家の外観を損なうだけでなく、放置すると深刻な問題を引き起こす可能性があります。状態を把握し適切なタイミングで必要な対策を講じれば、家の寿命を延ばせるほか、快適な住環境の維持が可能です。

この記事では、屋根のひび割れが起こる原因から放置した場合のリスク、補修にかかる費用などを解説します。適切なメンテナンスや修理をしたい方は、ぜひ最後までお読みください。

屋根がひび割れる原因

屋根がひび割れる原因は、3つあります。

  • 経年劣化
  • 飛来物
  • 屋根上の工事

それぞれを詳しく解説します。

経年劣化

とくに紫外線による影響は大きく、表面を硬化させるほか、柔軟性が失われます。

温度変化も、負担をかける要因です。昼と夜の温度差により、膨張と収縮を繰り返すと、やがてひび割れを引き起こします。

また、雨水や湿気の影響も見逃せません。これらが浸透すると、内部から劣化が進行し、ひび割れが生じやすくなります。

屋根材の経年劣化は避けられませんが、定期的なメンテナンスをすれば進行を遅らせられます。

飛来物

屋根材の表面がこれらの衝撃によって傷つくと、ひび割れが発生する可能性が高まります。とくに、瓦屋根は衝撃に弱いため、損傷を受けやすい傾向です。

また、近隣の工事現場からの飛散物や落雷による衝撃も、ダメージを与える原因です。

飛来物による被害を完全に防げませんが、定期点検を行えば早期での発見と対応につながります。

屋根上の工事

作業員が屋根の上を歩く際の足場の設置が不適切だったり、重い機材を直接屋根に置いたりすると、過度な負荷がかかって傷をつけてしまう可能性が高まります。

さらに、工事後の片付けが不十分で、釘やネジなどの金属片が屋根に放置されると、それらが錆びて周囲の屋根材を劣化させます。

屋根上の工事を依頼する際は、信頼できる業者を選び、作業内容を確認してから正式な依頼を出しましょう。

屋根のひび割れを放置するとどうなる?

屋根のひび割れを放置すると、腐食や雨漏りが発生する可能性があります。ひびが入った箇所から雨水が侵入すると、屋根材の内部や家屋の構造部分が湿気にさらされるためです。

湿気は木材を腐らせるだけでなく、金属部分を錆びさせる原因です。雨漏りは天井のシミや壁紙の剥がれ、電気系統のショートなど、家屋内部にも多大な被害をもたらします。

また、ひび割れから侵入した水分は、カビやダニの繁殖を促進し、居住者の健康にも悪影響を及ぼしかねません。

何の補修もしないまま放置すると、ひび割れが拡大するほか、補修費用が高くなりやすいです。状態が著しく悪い場合は、屋根全体の葺き替えが必要になる場合もあります。

屋根のひび割れの補修方法とその費用

屋根のひび割れの補修方法は、3つあります。

  • 部分補修
  • 塗装
  • カバー工法・葺き替え

それぞれの特徴と費用を詳しく見ていきましょう。

部分補修

部分補修は、ひび割れが局所的で軽度な場合に適した方法です。専用の補修材を使用して、問題の箇所を埋めます。

部分補修はあくまで応急処置でしかないため、根本的な解決にはなりません。そのため、定期点検と必要に応じた再補修が必要です。

DIYでも実施できますが、適切な技術と安全対策が欠かせません。したがって、専門業者に依頼するのが適切です。

塗装

屋根の塗装は、ひび割れの補修と予防を兼ねた方法です。塗装によって屋根材の表面を保護し、紫外線や雨水による劣化を防ぎ、小さなひびを埋める効果があります。

初期費用は高品質な塗料を使用すると高くなりますが、耐久性が向上するため、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れています。

塗装は、5〜10年ごとに行うのが理想です。塗り替えを定期的にすれば、屋根の寿命を延ばせるほか、大規模な修理や葺き替えの必要性を減らせます。

ただし、塗装前に既存のひび割れを適切に補修しておかなければいけません。

カバー工法・葺き替え

カバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を被せる方法です。大規模なひび割れや劣化が進んだ場合に適しています。

葺き替えは、古い屋根材を完全に撤去し、新しい屋根材に交換する方法です。

これらの方法は初期費用こそ高いものの、屋根の寿命を大幅に延ばせるため、長期的な保護効果を期待できるのが魅力です。

カバー工法は既存の屋根を生かせるため工期が短く、コストも抑えられます。葺き替えは根本的な解決策になるものの、工期が長く費用が高額になる傾向です。

検討する際は、屋根の状態や予算、将来的な住宅計画などを考慮しましょう。

屋根のメンテナンス時期

屋根のメンテナンス時期は、状態や材質によって異なります。ひび割れが見つかった場合は、放置すると被害が拡大する可能性があるため、速やかに補修を始めるべきです。

定期的なメンテナンスは、防水シートの劣化に合わせて20〜25年周期で行うのが一般的です。ただし、周期は地域の気候条件や屋根の使用状況によって異なります。

日々の目視点検も、欠かせません。強風や大雨の後は、屋根の状態を確認すべきです。

また、5年ごとに専門業者による適切な点検を受ければ、小さな問題を早期に発見できるだけでなく、大規模な修理を防げるでしょう。

定期的なメンテナンスは、屋根の寿命を延ばせるほか、突発的な修理費用を抑えられます。計画を立てて実行すれば、家計の負担を長いスパンで軽減できます。

屋根のひび割れを安く補修するための方法

屋根のひび割れを安く補修するための方法は、以下のとおりです。

  • 補助金・助成金
  • 火災保険
  • 相見積もり

それぞれを詳しく解説します。

補助金・助成金

屋根の補修や改修工事には、活用できる補助金や助成金があります。例えば、省エネ改修工事に対する補助金や、耐震改修に関する助成金などです。

これらの制度は自治体によって異なりますが、工事費用の一部(10〜30%ほど)を補助してくれる場合が多いです。

ただし、申請には条件があり、工事内容や建物の築年数などの要件を満たさなければいけません。また、申請期間や予算枠が限られている場合もあるため、早めに情報収集し、計画的に活用する必要があります。

火災保険

火災保険は、屋根のひび割れ補修にかかる費用を抑える上で有効です。多くの保険では、台風や豪雨、雪などの自然災害による屋根の損傷をカバーしています。

保険を活用する際は、契約内容を確認し、屋根の損傷が補償対象かどうかを確認しましょう。対象となる場合は保険会社に連絡し、調査を依頼します。

調査の結果、保険が適用されれば、修理費用の一部または全額が補償されます。

ただし、経年劣化による損傷は補償対象外になる場合が多いです。また、保険を使用すると、保険料が上がる可能性があります。

補修費用と保険使用のメリット・デメリットを比較検討し、適切に判断しましょう。

相見積もり

屋根の補修費用を抑えるには、複数の業者から見積もりを取る相見積もりが有効です。同じ工事内容でも、見積もり金額は業者によって差が出る可能性があります。

相見積もりを行う際は、少なくとも3社以上の業者に依頼しましょう。見積もり内容を比較する際は、金額だけでなく、使用する材料の品質や工事の範囲、保証内容などを確認します。

また、見積もり時に提案される工法や材料を聞き逃さないようにしてください。場合によっては、費用対効果の高い方法が見つかる可能性があります。

ただし、極端に安い見積もりには注意が必要です。品質や安全性が犠牲になっていないか、項目を入念に確認しましょう。

ひび割れ以外に気をつけたい屋根の劣化症状

ひび割れ以外に気を付けたい屋根の劣化症状は、4つあります。

  • 瓦のズレ
  • 漆喰の剥がれ
  • 棟のズレや破損
  • 瓦の劣化

それぞれを詳しく見ていきましょう。

瓦のズレ

瓦は強風や地震、経年劣化によって、本来の位置からずれる場合があります。

ズレは見た目の問題だけでなく、雨漏りのリスクを高めるため注意しなければいけません。

瓦がズレた状態は、屋根全体の構造に影響を与える可能性があります。隙間から雨水が侵入し、下地材を腐らせるほか、家屋内部に水が染み込むリスクが高まります。

改善するには、早期発見と定期的な目視点検が欠かせません。ズレが見つかった場合は、専門業者に相談し、適切な修理を行いましょう。

放置すると被害が拡大する恐れがあるほか、修理費用が高額になる可能性があります。

漆喰の剥がれ

漆喰は、瓦屋根の接合部分に使用される材料です。剥がれると雨水が侵入し、屋根全体の耐久性を低下させます。

漆喰が剥がれる原因は、経年劣化や気温の変化、雨風の影響などです。剥がれた部分から雨水が侵入すると、屋根裏や壁内部に湿気がたまり、カビの発生や木材の腐食を引き起こす可能性があります。

補修は比較的簡単で、早期に対処すれば費用を抑えられます。定期点検で剥がれを発見したら、速やかに補修しましょう。

DIYでも実行できますが、大規模な剥がれは専門業者に依頼するのが安全です。

棟のズレや破損

屋根の棟は、屋根の頂点部分です。強風や地震、経年劣化によってズレや破損が生じると、屋根全体の構造に影響を与える可能性があります。

棟に問題が生じると、雨水が侵入するだけでなく、家屋内部に大きな被害をもたらします。また、見た目にも悪影響を与えるため、家の資産価値を下げる要因です。

修理をするには、専門技術が必要です。したがって、経験豊富な業者に依頼しましょう。

修理を先延ばしにすると、被害が拡大するほか、高額な修理費用がかかる可能性があります。定期点検を心がけ、早期での発見と対応が取れるよう徹底しなければいけません。

関連記事:軒天の修理費用はどれくらい?内訳から徹底解説

瓦の劣化

瓦は長年の風雨や紫外線にさらされると、色あせや表面のひび割れ、欠けなどの症状が起こりやすくなります。

劣化が進むと、防水性能が低下し、雨漏りのリスクが高まります。素材が脆くなれば、飛来物による損傷を受けやすいです。

さらに、見た目にも悪影響を与えるため、家の外観を損ねます。

対策は、瓦の劣化度合いに応じて以下を検討しましょう。

  • 塗装による保護
  • 部分的な交換
  • 全面的な葺き替え

定期的なメンテナンスをすれば、瓦の寿命を延ばせるほか、屋根全体の耐久性を維持できます。

まとめ

屋根のひび割れは、経年劣化や飛来物、不適切な工事などで発生します。放置すると、雨漏りや腐食などの深刻な問題を引き起こす可能性があるため、早期での発見と対応が欠かせません。

補修方法には、部分補修や塗装、カバー工法、葺き替えがあります。状況に応じて、適切な方法を選択しましょう。

費用を抑えるには、補助金や助成金の活用、火災保険の適用、相見積もりが有効です。

また、ひび割れ以外にも、瓦のズレや漆喰の剥がれ、棟の破損、瓦の劣化など、注意すべき症状があります。これらを早期に発見し、適切に対処すれば、大規模な修理を防げるほか、屋根の寿命を延ばせます。

定期的なメンテナンスは20〜25年周期が目安ですが、日々の目視点検や5年ごとの専門業者による点検も必要です。計画を立てて補修の可否を判断していけば、突発的な高額修理を避けられるだけでなく、家計の負担を長期的に軽減できます。

適切なケアと対策を実行し、安全で快適な住環境を維持し、家の資産価値を保ちましょう。

屋根のエイト」はイタリア大使館からの依頼を受けた実績があり、施工保証10年・損害賠償保険にも加入しています。屋根修理をご検討中の方に、安心感のある提案を行います。

屋根の棟部分の修理費用は?費用を安く抑えるポイント

屋根の棟部分の修理費用は、どれくらいかかるのか気になっている方は多いかもしれません。棟瓦や棟板金など、屋根の種類や状態によって工事内容や費用は変わってくるため、漠然と不安を抱えている方もいるでしょう。

本記事では、棟の修理費用の目安や出費を抑えるための工夫について、分かりやすく解説します。実際の工事では足場の有無なども影響してくるため、正しい知識を身につけておくと安心です。大切な住まいを長く維持するためにも、ぜひ最後までお読みください。

屋根の棟の種類

屋根の頂上部分を覆う「棟(むね)」は、使われる素材によっていくつかの種類があります。採用される材料によって見た目や耐久性、メンテナンス方法にも違いが生じるのが特徴です。ここでは、以下の2つについて見ていきましょう。

  • 棟瓦
  • 棟板金

それぞれの特長を知っておくと、修理や交換の際に役立ちます。

棟瓦

棟瓦(むねがわら)とは、おもに日本瓦などの粘土瓦を使う屋根に取り付けられる棟部分のことです。瓦屋根の見た目を左右し、漆喰(しっくい)や専用の接着剤などで固定します。伝統的な和風の外観を保ちつつ雨風を防げる点が魅力ですが、経年とともに漆喰が剥がれたり、瓦自体がズレたりすることも少なくありません。

また、地震や台風のような強い衝撃があると、瓦同士の隙間から雨水が入り込むおそれがあります。定期的な点検とメンテナンスを行うことで、美観と防水性の両方を維持できます。瓦屋根ならではの風情を守るためにも、棟瓦の状態をこまめにチェックしておきましょう。

棟板金

棟板金(むねばんきん)とは、スレート屋根や金属屋根などで棟部分をカバーするために用いられる金属製の部材です。板金の下には木材の貫板(ぬきいた)が取り付けられ、その上から板金を被せる形で固定します。金属製なので耐久力は高い一方、釘が緩んだり、強風で板金そのものが浮いてしまったりするケースがあるため注意が必要です。

また、経年によるサビや変形が起きる場合もあり、放置すると雨水が屋根内部に侵入しやすくなります。定期点検や早めの補修を心がけることで、棟板金の機能を発揮させ、屋根を長持ちさせられます。

棟瓦の場合の屋根の修理費用

棟瓦の修理は、漆喰補修や棟瓦の積み直しなど作業内容によって費用が変わります。また、どちらのケースでも屋根上での工事には足場を組む必要があるため、その費用が加算される点にも注意が必要です。

下記の表では、おもな修理内容と目安費用をまとめました。

修理内容費用相場(1㎡あたり)目安費用
漆喰の補修4,000円~8,000円8万円~10万円
棟瓦の積み直し1万円~2万円12万円~25万円
足場費用(別途)700円~1,100円15万円~18万円

以下では、それぞれの工事の詳細について詳しく解説します。

漆喰補修

漆喰補修は、瓦と瓦の隙間や棟部分を漆喰で補強する工事です。おもな目的は雨水や風を防ぐことで、劣化した漆喰を取り除き、新しい漆喰を塗り直します。劣化箇所を放置すると、雨水が棟内部に染み込み、屋根下地の腐食や雨漏りにつながるおそれがあります。

漆喰補修の費用は範囲や厚みなどによって変わりますが、比較的手軽に行える作業といえるでしょう。ただし、屋根上での作業となるため足場を組む必要があり、漆喰の材料費と施工費のほかに足場費用も考慮しなければいけません。定期的な点検と早めの補修が、棟瓦の長寿命化につながるポイントです。

棟瓦の積み直し

漆喰補修よりも大がかりな工事で、棟瓦そのものを一度取り外し、下地や漆喰を新しくしたうえで瓦を再度積み直す作業です。地震や台風などの影響で棟瓦がズレたり浮いたりしている場合には、こうした工事が必要になります。費用は瓦の種類や屋根面積、損傷具合によって大きく変動する点に注意しましょう。

積み直しの工程では、下地となる土や漆喰の状態もチェックされるため、結果的に屋根全体の耐久性を高められます。長い目で見ると、雨漏りや大きな修理を防ぐためにも、状態が悪い場合は早めに棟瓦の積み直しを検討することが大切です。

棟板金の場合の屋根の修理費用

棟板金は金属製のため、棟瓦とは異なるトラブルが起こりやすい特徴があります。下記の表では、作業別のおおまかな費用相場をまとめました。

修理内容費用相場目安費用
釘の打ち直し1万5,000円~4万円/1棟8万円~20万円
貫板の交換5,000円~1万円/m6万円~12万円
棟板金の交換6,000円~1万2,000円/m7万円~15万円

以下では、各修理内容の詳細と注意点について解説します。

釘の打ち直し

棟板金を固定するために使われている釘が緩んだり浮いたりしている場合、釘の打ち直しが必要です。強風や台風の際に釘が抜けかけると、板金が持ち上げられて雨水が侵入しやすくなり、屋根内部の腐食や雨漏りの原因になります。

作業は浮いている釘を抜いてから、新たな釘やビスで固定する流れが一般的で、工程は比較的シンプルです。しかし高所作業になるため、安全対策として足場を組みます。トータルの工事費を抑えるためには、ほかの修理と同時に行うのも検討材料になるでしょう。

貫板の交換

貫板(ぬきいた)は棟板金の下地となる木材で、板金を固定する土台の役割を果たしています。長年の風雨や湿気の影響で腐食が進むと、釘を打っても保持力が弱くなり、板金が浮きやすくなるのが厄介な点です。

貫板の交換では、劣化している木材を取り外し、新しい木材や腐食に強い樹脂製の下地材に取り替えます。これによって板金を固定できるため、棟部分の耐久性が高まるメリットがあります。ただし、屋根の状況次第によって交換の範囲が異なるため、費用にも差が生じます。

棟板金の交換

棟板金の交換は、板金部分に大きな損傷や錆び、変形が見られる場合に行われます。既存の板金と下地材を撤去し、新しい板金を取り付けるため、ほかの修理に比べて手間がかかる点が特徴です。

ただし大幅な雨漏りのリスクを抑えられるほか、古い板金を放置して二次被害を引き起こすよりは、負担を抑えられるケースもあります。また、交換時には釘ではなくビス留めや粘着テープなどを併用する工法を採用する場合もあり、施工品質を高めるうえでのポイントともいえます。

屋根の棟を修理するタイミングは?

屋根の棟部分を修理するタイミングは、棟の種類や状態によって異なります。棟瓦や棟板金のどちらも、経年劣化や自然災害によって損傷が見られることがあります。とくに、雨漏りやズレが見られた場合には、直ちに修理が必要です。

ここでは以下の2つについて、修理するべきタイミングを詳しく説明します。

  • 棟瓦の場合:漆喰がひび割れやズレが見られる
  • 棟板金の場合:釘が浮いている、歪みや錆びが見られる

これらの状態が見られたら、早めの修理が推奨されます。

棟瓦の場合

棟瓦は瓦屋根の頂上部分を支える重要な要素で、漆喰や瓦そのものの劣化が進むと雨漏りの原因になります。以下3つの状態をチェックすることで、早めに修理のタイミングを見極められるでしょう。

  • 漆喰がひび割れている
  • 棟瓦がズレている
  • 雨漏りが発生している

これらの症状は段階的に進行することが多いため、早めの対処が肝心です。

漆喰がひび割れている

漆喰がひび割れている状態は、瓦同士を密着させる役目が弱まっているサインです。ひび割れをそのまま放置すると、隙間から雨水が侵入し、棟内部や屋根下地を腐食させるリスクが高まります。とくに棟部分は雨に打たれやすく、劣化の進行が早い点に注意が必要です。

漆喰は気温差による膨張や収縮、強い紫外線などの影響で傷みやすいため、定期的な点検と補修を行うことで屋根全体の寿命を延ばせます。ひび割れが見つかったら、自己判断で埋めたり塗り直したりするよりも、専門業者に依頼するほうが長期的に見て安心です。

棟瓦がズレている

棟瓦がズレている場合、風雨を正しく防げなくなるため、雨水が屋根内部に侵入しやすくなります。わずかなズレでも台風や地震など大きな外力が加わると、一気に広がってしまう可能性があるため、早めの対処が重要です。

ズレの原因は、漆喰の劣化や施工時のミス、あるいは築年数による自然な経年変化などが考えられます。放置すると隣接する瓦や棟部分全体に影響を及ぼし、屋根の耐久性を大きく損なうおそれがあります。気になるズレがある場合は一度、専門業者に屋根を確認してもらい、必要に応じて棟瓦の積み直しや漆喰補修を行うとよいでしょう。

雨漏りが発生している

棟瓦の不具合による雨漏りが起こっている場合、屋根の内部構造や建材へすでに深刻なダメージが及んでいる可能性があります。雨水が棟を通じて入り込むと、断熱材や野地板(のじいた)が濡れてカビが発生したり、木材が腐食したりすることも多いです。とくに棟部分は屋根の頂点にあるため、一度不具合が生じると被害が広範囲に及びやすい点が問題です。

天井のシミや壁紙の剥がれなど目立った症状が出る前に、こまめに屋根の点検を受けることで重大なトラブルを防げます。なお、このような雨漏りのリスクは棟板金の場合でも同様なので、どの屋根材を使っていても早めのメンテナンスが欠かせません。

棟板金の場合

棟板金の場合は、金属製ならではのトラブルが起きやすく、釘や板金自体の劣化・変形が放置されると雨漏りにつながるおそれがあります。以下4つの状態をチェックし、早めの対策を検討しましょう。

  • 釘が浮いている
  • 棟板金が歪んでいる
  • 棟板金が錆びている
  • 棟板金がズレている

適切な補修や交換を行うことで、屋根全体の耐久性を保てます。

釘が浮いている

棟板金を固定するための釘が浮いている場合、板金と下地の間に隙間が生じるため、風や雨水が侵入しやすくなります。とくに台風や強風の際には、浮いた釘を支点に板金が大きく動きやすくなり、一気にめくれ上がるリスクも高まるでしょう。

釘の浮きは、長年の経年劣化や屋根の振動、施工時に使用した釘の種類などが原因となる場合があります。早めに打ち直しやビス留めなどで固定することで、雨水の侵入を防ぎ、屋根内部の腐食や断熱材の劣化を抑えることが可能です。安全のために足場を組むことも多いので、ほかの棟板金の不具合とあわせて点検し、まとめて修理を行うのが費用面でも有利でしょう。

棟板金が歪んでいる

棟板金が歪んでいると、屋根の美観が損なわれるだけでなく、接合部分に隙間ができ防水性能が低下します。原因は、強風や雪の重みなど外力が加わったり、築年数の経過による金属の熱膨張と収縮が繰り返されたりすることで、徐々に形状が変化してしまうことが考えられます。

歪みを放置すると、その部分から雨水が浸入し、貫板や野地板を腐食させるリスクが高まるでしょう。早期発見であれば部分的な修理で済む場合もありますが、全体の板金を交換しなければならないケースも少なくありません。定期的な点検によって歪みの進行を把握し、必要に応じて板金の補正や交換を検討することが大切です。

棟板金が錆びている

棟板金が錆びている場合、屋根の耐久性が大きく損なわれている可能性があります。錆びは金属が酸化することによって発生し、進行が進むと板金が脆くなり、穴が開いたり破れたりするおそれもあるでしょう。湿気の多い環境や塩害地域などでは錆びが進行しやすい傾向があるため、注意しなければいけません。

軽度の錆びなら研磨して防錆塗料を塗るなどの処置で対処できますが、広範囲に及んでいる場合は交換を検討しなければならないケースも。早めのケアが屋根全体の寿命を伸ばすことにもつながるため、定期的に状態を確認し、異常が見られたら専門業者に相談するのが安心です。

棟板金がズレている

棟板金がズレていると、屋根の頂部に隙間が生じて雨風の侵入を許しやすくなります。原因として、強風で釘が抜けかかったり、貫板が劣化したりすることで固定力が低下し、板金そのものが動いてしまうケースが多いです。ズレが大きくなると、雨漏りだけでなく板金の脱落や屋根材の損傷にもつながるため、こまめな点検が欠かせません。

単純に釘を打ち直すだけでは再度ズレが生じることもあるため、必要に応じて貫板の交換や板金の新設など、根本的な原因に対処する工事が求められます。定期的なメンテナンスでズレを早期発見し、屋根を健全に保つことが大切です。

屋根の棟部分の修理費用を安く抑えるためのポイント

屋根の棟部分を修理する際、費用を安く抑える方法はいくつかあります。以下4つを順番に見ていくことで、負担を軽減するヒントが得られるでしょう。

  • 相見積もりをとる
  • 補助金・助成金を活用する
  • 場合によっては火災保険を利用する
  • 足場を組む工事を同時に実施する

それぞれ見ていきます。

相見積もりをとる

屋根の棟部分の修理費用は、使用する材料や施工技術、アフターサービスの充実度などによって異なるため、1社だけの意見では判断が難しいことがあります。極端に低価格な見積もりを提示する業者は、あとから追加費用が発生したり、施工品質に問題があったりする可能性もあるので要注意です。

一方で、高額な見積もりの場合は、理由を確認することが大切です。複数の見積もりを比較することで、より適切な業者選びと費用削減につながります。

補助金・助成金を活用する

棟の修理自体を直接的にサポートする制度は限られますが、屋根全体のリフォームとして位置づけられる工事なら、申請対象となることもあるので調べましょう。

制度によっては申請要件や書類の準備が複雑な場合がありますが、補助を受けられれば費用負担を大きく軽減できます。交付額や締め切りなどの条件は地域によって異なるため、役所や専門業者に相談しながら進めることが肝心です。時間と手間はかかりますが、サポート制度を活用することで負担の軽減が期待できるでしょう。

関連記事:屋根修理で助成金を適用するための条件と申請の手順・注意点について

場合によっては火災保険を利用する

保険会社によっては、屋根の一部損傷や雨漏りなど広範囲な被害も補償対象となることがあるため、一度契約内容を確認するとよいでしょう。申請の際には、被害状況を証明するために現場写真や、業者の調査報告書などが必要になる場合が多いです。

実際に保険金が支払われるまでに時間がかかることもありますが、大きな出費を抑えられる可能性があるので、見落とさないようにしましょう。ただし、経年劣化がおもな原因と判断された場合は補償対象外となるケースもあるため、事前に保険会社や専門業者に相談しておくことをおすすめします。

足場を組む工事を同時に実施する

屋根の棟修理では足場を組んでの高所作業が必要になるため、足場設置費用が発生します。足場は工事の安全性を高めるために欠かせませんが、意外と費用がかさむため、この機会にほかの修理やリフォームを同時に行うのも1つの方法です。

たとえば、外壁塗装や雨樋の交換などのメンテナンスをまとめて実施すれば、足場費用を複数回支払わなくて済むメリットがあります。各工事を別々に頼むよりも、作業工程を効率化できる場合が多く、結果的に費用を抑えやすいでしょう。

適正見積もりかチェックするポイント

屋根の棟修理は費用が高額になるケースもあるため、見積もりが適正かどうかを見極めることが重要です。以下の2つについて確認しておくと、費用面だけでなく施工品質の面でも信頼できる業者を選びやすくなります。

  • 点検したうえで見積もりしてくれるか
  • 一式と書いていないか

これらを押さえておけば、不明瞭な追加費用や不要な工事を避けられるでしょう。

点検したうえで見積もりしてくれるか

屋根の棟修理には、実際に屋根の状態を詳しく確認する点検が欠かせません。誠実な業者であれば、必ず現地調査を行ったうえで見積もりを提示するのが基本です。点検によって屋根材の傷み具合や下地の劣化、必要な工事範囲が正確に把握できるため、不必要な作業を削減して見落としを防げます。

一方、電話口だけの簡単なヒアリングで見積もり金額を提示する業者は、実際の工事になった際に大幅な追加費用を請求してくるリスクもあるでしょう。点検を行わずに正確な費用を算出することは難しいため、事前に現場を見てもらえるかを確かめることが大切です。

一式と書いていないか

見積書の項目欄に「一式」という表記が多用されている場合、具体的にどの作業が含まれているのか分かりづらく、あとから追加料金が発生する懸念があります。屋根の棟修理に必要な材料費や作業内容が細かく記載されていないと、業者とのトラブルに発展しやすい点も要注意です。塗装の手間や漆喰の塗り直し、貫板の交換など、どの程度の範囲が見積もりに含まれているか明確に示すのが誠実な対応といえます。

もし「一式」としか書かれていない場合は、内容の詳細を質問し、細分化された見積書を改めて作成してもらうのがおすすめです。正確に把握することで、不要な工事が含まれていないかを判断できます。

屋根の棟部分を修理する際の見積書の見方

屋根の棟修理は高所作業や専門的な工事が多いため、見積書を理解することが大切です。以下の3つについて注意して確認すれば、余計な出費や不透明な料金を抑えられます。自宅の屋根状況に合った妥当な内容かどうかを見極めるためにも、基本的な見積書の構成を押さえておきましょう。

  • 材料費
  • 工事費
  • その他費用

それぞれの項目を把握することで、見積書に隠された内訳を見逃さずに済みます。

材料費

屋根の棟部分を修理・交換する際に必要となる部材や道具の費用を指します。たとえば棟瓦であれば瓦や漆喰、棟板金ならば金属板や貫板といった資材が含まれるでしょう。とくに板金や瓦の種類によって価格差が生じるため、選択する材質や品質を確認することが大切です。

また、塗装作業が必要な場合は塗料の費用も材料費に含まれる場合があります。具体的な品名や数量、型番や品質の違いによる額の変動の有無などを確認しましょう。曖昧な表記だと、あとから別の材料費を請求されるリスクもあるため、十分に納得してから依頼することが重要です。

工事費

職人の人件費や、施工にかかる手間賃を中心に算出されます。屋根の棟部分は高所での作業が多く、安全対策や足場の設置が必要となるため、一般的なリフォームに比べて工賃が高くなる場合も。作業内容には、既存の棟材を撤去する工程や新しい棟材の取り付けなどが含まれます。棟瓦と棟板金では施工の手順や難易度が違うため、工事費にも差が出やすい点に注意しましょう。

また、屋根の形状や劣化の程度によっても作業時間が変わるため、見積書に「一式」とだけ書かれている場合は詳しい内訳を聞くのが賢明です。納得いくまで説明を受けることで、不要な作業や過剰な工賃の請求を防げます。

その他費用

その他費用には、足場の設置・解体費用や廃材処分費、交通費などが含まれます。屋根の棟修理では足場が必須となるケースが多いですが、足場費用は工事全体のコストを大きく左右する要素です。複数の工事を同時に依頼すれば、足場を組む回数を減らせるため、節約につながる可能性があります。

また、廃材や古い瓦などの処分費は、地域や業者によって異なることがあるため、見積書で「処分費」や「運搬費」の名目がどの程度かかるのかを確認しましょう。細かい項目が明記されていない場合は、あとから追加請求されるリスクもあるため、契約前に疑問点を解消にしておくことが大切です。

まとめ

棟瓦と棟板金、それぞれの修理内容や費用のポイントを押さえれば、予算を抑えつつ安心してメンテナンスを進められます。適正な見積書のチェックや補助制度の活用、火災保険の対象確認など、できる工夫は意外と多いものです。

足場工事をほかのリフォームと同時に行うと、費用を一度で済ませられる利点もあります。長期的な視野を持って屋根をケアし、大切な住まいの寿命を延ばすとともに、予期せぬトラブルを未然に防ぎましょう。

屋根のエイト」はイタリア大使館からの依頼を受けた実績があり、施工保証10年・損害賠償保険にも加入しています。屋根修理をご検討中の方に、安心感のある提案を行います。

軒天の修理費用はどれくらい?内訳から徹底解説

軒天の修理費用は範囲や修理方法によって異なりますが、3万〜10万円が相場です。足場の設置費用を加えると、総額は8万〜30万円になるでしょう。

費用を抑えるには、施工内容や症状を把握しなければいけません。加えて、相見積もりや補助金・助成金を活用すれば、安くできる可能性があります。

この記事では、軒天の修理にかかる費用を施工内容別で解説します。施工の相場や内訳を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

軒天の修理にかかる費用

軒天の修理費用は、施工内容で大きく異なります。

施工内容費用(1平方メートルあたり)
軒天の塗装1,000〜2,000円
軒天の張り替え8,000〜12,000円
軒天の重ね張り6,000〜8,000円
コーキング補修1,000〜1,500円
足場設置12万円〜(全体)

ただし、実際の費用は家の状態や地域によって変動する可能性があります。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

軒天の塗装

効果は見た目を改善できるほか、軽度な劣化を防げます。ただし、軒天の状態が悪いと、塗装だけでは不十分なため、他の施工が必要です。

費用は、使用する塗料の種類や塗装面積によって異なります。高品質な塗料を使用すると耐久性は上がりますが、高額になる傾向です。

ただし、広い面積を塗装すると、1平方メートルあたりの単価が下がる場合もあります。

塗装は、定期的なメンテナンスとして選択するのがおすすめです。5〜10年ごとに実施すれば、軒天の寿命を延ばし、大規模な修理を避けられる可能性があります。

軒天の張り替え

既存の軒天を取り外し、新しい材料で張り替えるため、見た目も機能も完全に回復できるのが特徴です。劣化が進んでいる、構造に問題がある場合に適しています。

費用は、使用する材料の種類や施工の難易度によって変わります。防火性能の高い材料を使用すると、高額になる傾向です

また、軒天の形状が複雑、高所作業が必要な場合も同様です。

張り替えは大がかりな施工になるため、他の外装工事と同時に行うとコストを抑えられる場合があります。例えば、屋根の葺き替えや外壁塗装と一緒に行えば、足場代の節約が可能です。

ただし、工期が長くなるため、生活への影響を考慮しなければいけません。

軒天の重ね張り

張り替えほど大がかりではなく、塗装よりも効果的な修理方法です。既存の軒天が健全な場合に適しています。

メリットは、既存の軒天を取り外す手間が省ける点です。そのため、工期が短くなるほか、廃棄物が少なくなります。

また、断熱性能を向上させる材料を使用すれば、家全体の省エネ効果も期待できます。

ただし、既存の軒天に問題があると、上から重ねても根本的な解決にはなりません。さらに、軒の出が小さくなるため、外観が変わる可能性があります。

コーキング補修

小規模な修理に適しており、雨水の侵入を防ぐ効果があります。ただし、応急処置のような施工のため、根本的な解決にはならない可能性が高いです。

費用は、使用する材料の品質や作業量によって異なります。高品質なシーリング材を使用すると耐久性が上がりますが、高額になりやすいです。

また、高所作業が必要な場合は、別途で足場代がかかります。

コーキング補修は、定期的なメンテナンスにおすすめの施工です。数年ごとに点検し、必要に応じて補修すれば、軒天の寿命を延ばせます。

ただし、大きな隙間や亀裂がある場合は、他の修理方法を検討しましょう。

足場設置

特徴は、作業員の安全を確保し、作業の効率化を実現できる点です。特に、2階建て以上の家や高所の作業が必要な場合は、足場の設置が欠かせません。

費用は、設置する範囲や期間によって大きく変わります。家全体に足場を組む場合は高額になりますが、部分的な設置で済む場合もあります。

ただし、長期間の設置が必要な場合は高くなりやすいです。

足場の設置は、他の外装工事と同時に行うとコストを抑えられます。例えば、軒天の修理と外壁塗装を一緒に行うと、費用を分散できます。

ただし、設置には近隣への配慮が必要です。日照や視界を妨げる可能性があるため、事前に説明と了承を得ましょう。

軒天の修理費用を抑えるコツ

軒天の修理費用を費用を抑えるコツは、3つあります。

  • 相見積もりをとる
  • 場合によっては火災保険を利用する
  • 補助金・助成金を利用する

それぞれを詳しく解説します。

相見積もりをとる

軒天修理の費用を抑えるには、市場の適正価格を把握し、最も条件の良い業者を選ぶ必要があります。ただし、安い業者ばかりを選ぶのではなく、品質や実績も考慮しなければいけません。

相見積もりを取る際は、少なくとも3社以上の業者に依頼しましょう。各業者の見積もり内容を比較し、施工範囲や使用する材料、保証内容などを確認します。

また、現地調査を行う業者を選ぶと、正確な見積もりが得られやすいです。

ただし、見積りが極端に安いと、追加費用が隠されているほか、品質が悪い可能性があります。項目は業者によって異なるため、価格だけでなく内容を比較しましょう。

場合によっては火災保険を利用する

軒天が台風や豪雨などの自然災害によって損傷した場合、火災保険で修理費用がカバーされる可能性があります。ただし、経年劣化による損傷は対象外です。

火災保険を利用する際は、保険会社に連絡し、損害調査を依頼します。保険金の支払いが認められれば、修理費用の一部または全額が補償されます。

ただし、保険金の請求には適切な証拠や書類が必要です。損傷の状況を写真で記録し、修理見積書を準備するなど、事前準備が欠かせません。

また、保険金を請求すると、次年度以降の保険料が上がる可能性があります。軽微な損傷の場合、支払いが認められない場合もあるので注意が必要です。

火災保険の利用は、適用可否や長期的なコストを考慮し、慎重に判断しましょう。

補助金・助成金を利用する

地方自治体によっては、住宅リフォームに対する補助金制度を設けている場合があります。特に、省エネ改修や耐震改修を伴う工事の場合、補助金が適用される可能性は高いです。

補助金や助成金を利用するには、自治体の窓口や公式サイトで情報を収集します。申請条件や必要書類を確認し、期限内に申請を行いましょう。

ただし、予算には限りがあるため、先着順で締め切られる可能性があります。早めの情報収集と申請を心がけてください。

また、工事内容や金額によっては補助対象外となる可能性があるほか、申請手続きが複雑で時間がかかる場合があります。さらに、補助金を受けると、一定期間は転売などの制限がかかる場合もあるので注意が必要です。

関連記事:屋根修理で助成金を適用するための条件と申請の手順・注意点について

軒天修理が必要な症状

軒天修理が必要な症状は、5つあります。

  • 変色
  • はがれ
  • 穴あき・破損
  • シミ
  • カビ・コケ

それぞれを詳しく見ていきましょう。

変色

軒天の変色は、修理が必要なサインです。紫外線や雨水、排気ガスにより、黄ばみや灰色化が進行します。

特に、南向きは変色しやすいです。

軽度の変色なら塗装で対処できますが、著しい場合は本格的な修理が欠かせません。放置すると劣化が進み、張り替えが必要になる可能性があります。

したがって、定期的な確認を行い、早期発見と対処をしなければいけません。ただし、適切な対処は変色の程度や原因に応じて異なるため、専門業者に相談するのが望ましいです。

はがれ

軒天のはがれは、早急な対処が必要です。部分的または全体的なはがれは、見た目だけでなく雨水や害虫の侵入口になる危険があります。

初期段階では端部や継ぎ目が浮き上がる程度ですが、放置すると全体が落下するリスクが高まります。軽度なら接着剤や釘で固定できますが、広範囲の劣化は張り替えが必要です。

適切な修理をするためにも、定期的な目視点検で早期発見し、専門業者に相談しましょう。

穴あき・破損

軒天の穴あきや破損は、緊急性が高い症状です。見た目だけでなく、雨水や害虫の侵入を招く可能性があります。

小さな穴や軽度の破損は、パテや補修材での応急処置が可能です。しかし、大きな穴や広範囲の破損は、部分的または全面的に張り替える必要があります。

放置すると劣化が進行し、内部にある木材の腐食や害虫被害が広がる危険性が高まります。特に、台風や強風の後は注意して点検しましょう。

シミ

軒天のシミは、深刻な問題の前兆かもしれません。雨漏りや結露が原因で、屋根や壁に不具合が生じている場合があります。

原因はシミの色や形状、位置から推測できますが、素人には判断が困難です。軽度なら清掃や塗装で対処できますが、原因が不明なほか、広範囲の場合は専門業者の調査が欠かせません。

表面的な修理だけでは再発の可能性が高いため、根本的な解決をする必要があります。定期的に点検を行い、新たなシミの発生や拡大がないか確認しましょう。

カビ・コケ

軒天のカビやコケは、建材劣化の原因です。湿気の多い環境で発生しやすく、水分問題を示唆しています。

おもな原因は、以下のとおりです。

  • 雨漏り
  • 結露
  • 排水不良

日当たりや風通しの悪い場所だと、発生しやすくなります。

軽度なら専用洗浄剤と防カビ塗料で対処できますが、広範囲や軒天材が劣化している場合は張り替えが必要です。

予防には定期清掃と換気、水はけの改善を行わなければいけません。

まとめ

軒天の修理費用は工事内容によって異なり、塗装から張り替えまでさまざまな選択肢があります。

費用を抑えるコツは、相見積もりの取得や火災保険の活用、補助金・助成金の利用です。変色やはがれ、シミなどを見つけたら、早急に適切な対処をしなければいけません。

定期的な点検と早期対処を心がければ、大規模な修理を防げるほか、長期的なコストの削減につながります

軒天の修理を検討する際は、費用だけでなく、品質や耐久性も考慮しましょう。不安な点があれば専門業者に相談し、最適な修理方法を選択すべきです。

屋根のエイト」はイタリア大使館からの依頼を受けた実績があり、施工保証10年・損害賠償保険にも加入しています。屋根修理をご検討中の方に、安心感のある提案を行います。