屋根修理にかかる費用の相場を知りたいと考えていませんか。初めての経験で、困っている方は多いでしょう。
ここでは、屋根修理にかかる費用の相場や費用に影響を与える要素を紹介するとともに、見積もりをとる際に意識したいポイント、業者選びのポイントなどを解説しています。以下の情報を参考にすれば、屋根修理の検討を進めやすくなるはずです。費用の相場などが気になる方は、参考にしてください。
屋根材ごとの屋根修理・メンテナンスのタイミングは?
雨漏りなどの明確なトラブルが起きない限り、屋根の修理やメンテナンスを意識する機会は少ないかもしれません。しかし、屋根は普段目に見えにくい部分だからこそ、定期的に点検し、必要に応じて屋根修理を行うことが重要です。放置してしまうと劣化が進行し、結果的に屋根修理の相場よりも高い費用がかかる可能性があります。
多くの家庭では、築10~15年を目安に外壁や屋根のリフォームを検討します。このタイミングで屋根の状態を確認し、早めに補修や塗装を行うことで、長期的に住まいを守ることができます。また、屋根と外壁を同時に工事することで足場を共有でき、全体の修理費用の相場を抑えられるのも大きなメリットです。
屋根材には大きく分けて「瓦」「スレート(セメント瓦を含む)」「金属(ガルバリウム鋼板など)」の3種類があります。それぞれの素材によって、修理やメンテナンスが必要になる時期や費用の相場が異なるため、あらかじめ把握しておくと安心です。
▼屋根の耐用年数と塗装などのメンテナンス時期
| 屋根の素材 | 素材の耐用年数 | 屋根のメンテナンス時期 | 主なメンテナンス内容 |
| スレート(セメント瓦含む) | 約15~20年 | 約10年ごと | 塗装による防水・防錆保護 |
| 瓦(素焼き・粘土・陶器) | 50年以上 | 約10~15年ごと | 割れやズレの点検・補修、異常箇所の修繕 |
| 金属(ガルバリウム鋼板など) | 約20~40年 | 約20~30年ごと | 塗装・錆防止処理、ジョイント部の確認 |
屋根材ごとの耐用年数やメンテナンス時期について、下記にてよりくわしく解説します。
スレート屋根の修理・メンテナンス時期は10~15年が目安
一般的な住宅で多く採用されているスレート屋根は、経年劣化によって割れや反りが発生しやすい素材です。雨風や紫外線、温度変化の影響を受けやすく、次第に表面の防水塗膜が傷んでいきます。
そのため、築10年前後で再塗装や部分補修などの屋根修理を行うのが理想的です。スレート屋根の耐用年数はおおよそ15~20年とされていますが、10年を過ぎたあたりで点検を行い、必要に応じてメンテナンスを検討することで、将来的な屋根修理費用の相場を抑えることができます。”
瓦屋根の点検・修理は10~15年ごとが安心
素焼き瓦、粘土瓦、陶器瓦などの瓦屋根は、耐用年数が50年以上と非常に長く、適切に管理すれば半永久的に使用できるといわれています。
ただし、強風や地震などで瓦がずれたり割れたりすることもあるため、10~15年に一度は専門業者による点検や軽微な屋根修理を行うのがおすすめです。
特に素焼き瓦では、年月とともにコケや汚れが付着しやすく、美観や防水性の低下につながる場合があります。また、セメント瓦やモニエル瓦などの塗装仕上げの屋根材は、スレート屋根と同様に10~15年ごとに再塗装が必要です。定期的なメンテナンスを怠ると、劣化が進み、屋根修理の相場より高い費用が発生することもあるため注意しましょう。”
ガルバリウム鋼板屋根の修理・メンテナンスは20~30年が目安
ガルバリウム鋼板をはじめとする金属屋根は、耐久性に優れ、サビや腐食にも強い素材として人気があります。その耐用年数はおよそ20~40年と長く、瓦やスレートに比べてもメンテナンス頻度が少ないのが特徴です。
とはいえ、長期間紫外線や雨風にさらされることで、塗膜が劣化してツヤが失われたり、接合部が緩んだりすることがあります。そのため、20~30年を目安に再塗装やボルトの締め直しなどの屋根修理を行うのがおすすめです。定期的な点検とメンテナンスを行うことで、屋根修理の相場を抑えながら長持ちさせることができます。
屋根修理の費用相場はいくら?
屋根修理にかかる費用は、ケースで大きく異なります。ケースにより、修理の内容、屋根の面積、使用する屋根材のグレードなどが異なるためです。以上を踏まえたうえで、一般的な住宅における費用の相場を紹介すると、5万円~250万円程度とされています。
実際の金額は、これを下回ること、上回ることがあります。正確な金額を把握したい場合は、個別の見積もりをとることが大切です。しかし、1社からとるだけでは相場を把握できません。当該住宅における相場を調べたい場合は、工事の条件を揃えたうえで、複数の業者から見積もりをとって平均額を算出しましょう。
修理内容別の費用内訳
屋根修理の相場は、修理の内容で異なります。ここでは、修理の内容別に費用の相場を紹介します。
部分修理(瓦の差し替え、雨漏り修理)の費用
経年劣化や自然災害などの理由で、瓦の一部が割れたり、欠けたり、剥がれたりした場合は、瓦の差し替えを行います。主な原因として、経年劣化や衝撃があげられます。強風で飛来した物体が屋根にぶつかり、瓦が割れる場合もあります。瓦の差し替えにかかる費用は、使用する瓦の種類や枚数で異なります。費用の相場は5万円~15万円程度です。
雨漏りも、部分的な修理で対応できることがあります。修理の内容と費用の相場は、雨漏りの程度で異なります。天井に染みができる程度であれば、小規模な修理で対応できることが多いでしょう。費用の相場は、20万円~40万円程度です。天井からポタポタと水滴が落ちている場合は、屋根の下地までダメージを受けている可能性があります。費用の相場は、30万円~60万円程度です。雨が降るたびに水滴が落ちてくる場合は、大規模な屋根修理が必要となる可能性があります。費用の相場は、70万円~250万円程度です。
全面修理(屋根全体の葺き替え)の費用
屋根全体が劣化している場合は、屋根の葺き替えを検討する必要があります。葺き替えは、既存の屋根を撤去して、新しい屋根を葺きなおすことです。具体的には、古い屋根材、下地材などを、新しい下地材、屋根材などに交換します。屋根を丸ごと交換するため、劣化が目立つ状況に対応可能です。
しかし、屋根を葺きなおす費用に加え、古い屋根の撤去・処分費用も発生するため、修理代が高額になる場合があります。具体的な費用はケースで異なりますが、70万円~250万円程度かかることが一般的です。部分修理に比べて割高ですが、屋根そのものを新しくできるため、既存の屋根を使い続けるよりもメンテナンス費用を削減できる場合があります。
工法による費用の違い
屋根修理にかかる費用は、工法によっても費用が変わります。主な工法として以下の3つが挙げられます。
| 工法 | 概要 |
| 葺き替え | 既存の屋根を撤去して、新しい屋根を葺きなおす工法 |
| 重ね葺き | 既存の屋根の上から、新しい屋根を葺く工法 |
| 部分修理 | ダメージが目立つ部分だけ修復する工法 |
葺き替えは、屋根全体が劣化している場合や下地が傷んでいる場合などに検討します。既存の屋根を撤去・処分するため、重ね葺きよりも費用が高くなる傾向があります。重ね葺きは、屋根がそれほど劣化していない場合に検討します。費用を抑えつつ、屋根全体を修理できる点が魅力です。部分修理は、瓦を交換する、漆喰を補修するなど、傷んだ箇所だけ修復する工法です。費用を最小限に抑えることが可能ですが、屋根の状態次第では適用できない場合もあります。
屋根の種類と修理費用の関係
屋根の種類によっても、修理費用は変動します。使用する屋根材が異なるためです。参考に、主な屋根の種類を紹介します。
| 屋根の種類 | 特徴 |
| スレート屋根 | セメントなどを加工した薄い板状の屋根。軽い点と安価で施工できる点が魅力。耐用年数は20年程度。 |
| 瓦屋根 | 日本で広く用いられている屋根。陶器瓦、セメント瓦などの種類がある。耐用年数は50年程度。長く使い続けられる点が魅力。費用はスレート屋根より割高。 |
| 金属(ガルバリウム鋼板)屋根 | 合金でメッキしたガリバリウム鋼板を用いた屋根。軽量で屋根瓦より安い点が魅力。また、スレート屋根より丈夫。耐用年数は30年程度。 |
葺き替え工事の相場は、スレート屋根が70万円~180万円、瓦屋根が150万円~250万円、金属(ガルバリウム鋼板)屋根が140万円~200万円程度とされています。
屋根の修理費用に影響を与える要因
屋根の修理費用は、他にもさまざまな要因から影響を受けます。注意したい主な要素は以下の通りです。
屋根の面積や勾配
葺き替え工事の費用は、屋根の面積に面積あたりの単価を乗じて算出します。基本的な計算式は以下の通りです。
・屋根の修理費用=(屋根の面積×単価)+足場代
したがって、屋根の面積によって費用は変動します。単価は、屋根の種類などで異なります。足場代の相場は、15万円~20万円程度です。
屋根の勾配も、費用に影響を与えます。勾配が大きいほど、屋根の面積が増加するためです。また、作業の難易度も高くなります。例えば、傾斜が大きい屋根は、荷物の運搬を簡単に行えません。作業効率が低下する結果、勾配が大きい屋根は修理費用が割高になることが多いです。ただし、影響の程度は修理内容で異なります。部分修理の場合、屋根の面積に影響を受けることは少ないと考えられます。
建物の高さや立地条件
建物の高さも屋根の修理費用に大きく影響します。労働安全衛生規則で以下のように定められているためです。
第518条 事業者は、高さが2メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等
を除く。)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそ
れのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければな
らない。出典:厚生労働省「労働安全衛生規則(抄)」
基本的には、ほとんどのケースで足場ならびに足場代が必要です。足場代は以下の計算式で求めます。
足場代=(建物の外周+4m)×高さ
したがって、建物の高さも屋根の修理費用に影響するといえます。
また、建物の立地条件にも注意が必要です特定の条件により作業効率が悪化すると、割高な費用を請求される可能性があります。建物が密集しており、資材を運搬しにくい住宅が例として挙げられます。
劣化の程度や修理の緊急性
劣化の程度も、修理費用に影響を与える要素です。基本的には、状態が良いほど修理費用を抑えられます。大規模な修理を必要としないためです。例えば、瓦の差し替えだけでよければ、5万円程度で行えることがあります。1回あたりの負担額を考えると、屋根のメンテナンスは定期的に行うほうがよいでしょう。
屋根修理の緊急性も、費用に影響を与えることがあります。緊急性が高いと、業者の選択肢が少なくなるうえ、交渉の余地も小さくなるためです。具体的には、時間に余裕がないため、相見積もりをとって金額を比較できません。また、業者の閑散期を選ぶことも難しくなるでしょう。これらの事情で、割高になる場合があります。以上を踏まえると、早めの対応が勧められます。
屋根修理の見積もりを取る際のポイント
続いて、見積もりをとる際に意識したいポイントを解説します。
複数の業者から見積もりを取る
同じ屋根修理であっても、業者により費用は異なります。複数の業者から見積もりをとって比較することが重要です。専門知識がない方は、当該住宅における相場を把握できない可能性があります。上記の作業を行わないと、相場より高い業者に依頼するリスクがあります。一般的に、見積もりをとる業者の数は3社、4社程度が目安といわれています。
見積金額を比較する際は、他社に比べて著しく安い業者に注意しましょう。一定の原価がかかるため、相場から大きく外れるほど費用を抑えることは難しいためです。工事完了後に高額な費用を請求される可能性があります。トラブルを避けるため、安い理由を確認する、依頼を避けるなどの対策が必要です。
関連記事:屋根修理詐欺の代表的な手口、勧誘トークと信頼できる業者の選び方
見積もり内容をチェックする
見積もり内容もチェックしておきたいポイントとして挙げられます。「工事一式:○○円」などと記載されている見積もりには注意が必要です。詳細がわからないため、内容を評価できません。チェックしたい主な内容として、以下の点があげられます。
【チェックポイント】
- 屋根材の名称と単価
- 修理する屋根の面積
- 足場の必要性と費用
これらを記載している見積書は、信頼性が高いと考えられます。見積金額を算出した根拠が示されているためです。また、屋根材のグレードにも注意が必要です。同じ名称であっても、グレードにより費用や耐用年数などは異なります。気になる点、不明点があれば積極的に質問し、見積書の情報をもとに詳細を確認することが重要です。
追加費用やオプションに注意する
追加費用やオプションも注意したいポイントです。工事後に追加費用を請求されることや一部の工事がオプションになっていることがあります。これらを確認せずに屋根修理を依頼すると、想定より多くの費用がかかってしまいます。見積書をチェックするときは、発生する可能性がある費用を確かめておきましょう。また、雑費、諸費用など、詳細が明らかではない費用の内訳を確認しておくことも大切です。不要な費用が含まれている場合があるためです。内訳を明らかにすることで、修理費用を抑えられる可能性があります。
屋根リフォーム工事の価格を安く抑えるコツ
屋根のリフォーム費用は、工法や使用する屋根材、工事内容によって大きく変動します。そのため、あらかじめ正確な費用を予想するのは難しく、思わぬ出費になるケースもあります。ここでは、屋根修理の相場を理解したうえで、価格をできるだけ抑えるためのポイントを紹介します。
定期的に検査を行う
屋根は普段目に入りにくいため、トラブルが発生した時にはすでに劣化や破損が進行している場合が多くあります。外観上問題がないように見えても、定期的に点検・塗装・コーキング補修などを行うことが重要です。
ハウスメーカーや信頼できる屋根修理業者による定期点検を受けることで、早期発見・早期修理が可能になり、結果として将来的な修理費用や屋根修理の相場より高額になるリスクを抑えられます。
また、施工業者によってはリフォーム後のアフター点検サービスを提供している場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
補助金を活用する
断熱効果を高める塗装や、省エネ性能向上を目的としたリフォーム工事は、国や自治体の住宅リフォーム補助金制度の対象となることがあります。
また、軽量屋根材への葺き替えが耐震化リフォームの補助対象になるケースもあります。自治体によっては、住宅と同じ市区町村内に本店・支店がある施工業者に依頼することが条件となっている場合もあります。どの補助金が利用できるか、また屋根修理や外壁塗装と同時に申請できる補助制度があるかなどを、事前に業者へ相談すると良いでしょう。
火災保険を活用する
台風・強風・積雪などの自然災害によって屋根が破損した場合は、火災保険が適用されることがあります。保険が認められれば、屋根修理の相場よりも費用を大幅に抑えることが可能です。
ただし、補償されるのは原状回復を目的とした部分的な修理までで、屋根全体の葺き替えやカバー工法などのリフォームには保険が適用されない点に注意が必要です。
外壁塗装やベランダ補修と同時に行う
屋根リフォームの際に必要となる足場の設置費用は意外と高額です。そのため、同じく足場が必要な外壁塗装やベランダ補修工事を同時に行うことで、足場費用を共有できるというメリットがあります。
工事の総額自体は増えますが、トータルで見るとコストパフォーマンスが高く、効率的なリフォームにつながります。複数箇所のメンテナンスをまとめて行うことで、時間と費用の両面で無駄を省けます。”
信頼できる屋根修理業者の選び方
屋根修理業者には、さまざまな選択肢があります。ここでは、信頼できる業者の選び方を解説します。
業者の資格や実績を確認する
屋根修理業者は、保有している資格や実績を確かめてから選びましょう。これらを確認すると、業者の得意分野がわかるためです。屋根修理業者の中には、瓦屋根の修理を得意としているところや金属屋根の修理を得意としているところなどがあります。得意分野が異なれば、提案内容も異なる可能性があります。資格や実績を確かめて、修理したい屋根に適した業者を選ぶことが大切です。
これらの情報は、原則として業者の公式サイトで確認できます。掲載されていない場合は、電話やメールで問い合わせると教えてくれるケースが多いでしょう。特定の事情で資格や実績を提示できない場合は、業者の知識、技術、経験を慎重に評価する必要があります。不安を感じる方は、実績が豊富な業者を選択するほうが良いでしょう。
アフターサービスや保証内容の有無をチェックする
アフターサービスの有無も確認しておく必要があります。実績豊富な業者に依頼しても、施工ミスを完全に防ぐことはできないためです。アフターサービスに注力している業者を選ぶことで、万が一の場合にも対応が可能です。また、このような業者は、技術力に自信をもっていると考えられます。対応しても追加で費用を請求できないケースが多く、対応が増えるほど、業者の負担が大きくなるためです。不具合が少ないことが、このようなサービスを提供できる理由と考えられます。
保証の有無も確認しておきたいポイントです。不具合が起きたときに、自己負担額を抑えて修理を受けられる場合があります。ただし、保証の内容や条件は業者で異なります。保証の有無だけでなく、詳細も確認する必要があります。
口コミ・評判をチェックする
依頼先を決定する前に、当該業者の口コミや評判も確認しておきましょう。公式サイトに掲載されている情報だけでは、わからないことがあるためです。一例として、応対品質があげられます。「丁寧な対応を心がけている」と公式サイトに記載しておきながら、対応が遅い業者、対応がいい加減な業者も存在します。口コミ・評判を確認すると、実際に利用した方の感想がわかるため、このような業者を避けやすくなります。反対に、対応が丁寧な業者を見つけられることもあるでしょう。業者の口コミ・評判は、口コミサイトのほか、Googleマップなどで確認できます。
現地調査の丁寧さをチェックする
現地調査の丁寧さは、信頼できる屋根修理会社を見極める大切なポイントです。担当者の対応が誠実で、しっかりとヒアリングを行い、屋根の状態や修理方法についてわかりやすく説明してくれる会社は、施工の質も高い傾向があります。
また、現地調査の際には写真を撮ってもらい、屋根の状況を自分の目でも確認できるよう依頼しましょう。屋根の劣化状態は実際に見なければ判断が難しいことも多く、現地確認をせずに見積もりだけ提示する会社は注意が必要です。
一方で、屋根に登って細かく点検を行い、劣化状況に応じた修理方法や屋根修理の相場感まで丁寧に説明してくれる会社であれば、安心して任せることができるでしょう。
必要以上に不安を煽る業者には注意する
屋根修理の業者選びで迷っている時に、突然の訪問営業や電話勧誘を受けると、ついその会社に頼みたくなるかもしれません。しかし、繰り返しになりますが、見積もりは必ず複数の業者から取り、内容と金額を比較することが重要です。
中には、屋根が直接見えにくいことを利用して「今すぐ修理しないと危険です」「今日契約すれば特別に値引きします」などと、不安を煽る言葉で強引に契約を迫る悪質な業者も存在します。こうした場合、屋根修理の相場を知らないまま契約してしまい、後から高額請求されるケースもあります。
その場で即決せず、相見積もりを嫌がらないか、説明が丁寧で根拠を示してくれるかなどをしっかり確認しましょう。信頼できる業者は、調査内容や費用の根拠を明確に伝えてくれるはずです。
火災保険で屋根修理が無料になる?
屋根修理は内容によって費用が高くなることもありますが、経年劣化ではなく、台風や豪雨、雪害などの自然災害が原因で損傷した場合は、火災保険の補償対象となることがあります。つまり、条件を満たせば屋根修理の相場にかかる費用を火災保険でまかなえるケースもあるのです。
火災保険は名前のとおり火災時の補償だけでなく、契約内容によっては風災・雪災・雹(ひょう)災などの自然災害による損傷にも対応しています。
そのため、屋根が壊れた際に申請を行えば、修理やリフォーム費用の一部または全額が補償される場合があります。
ただし、保険を利用するには「いつ・どの災害で・どの程度被害を受けたのか」を明確にし、専門業者による修繕見積書を保険会社へ提出する必要があります。一般的には、リフォーム会社に見積もりを依頼し、それをもとに保険会社が審査・承認した後に修理工事を行う流れです。
まずは加入している保険会社や代理店の窓口で、屋根修理に火災保険が適用されるかどうかを確認しましょう。適切に手続きを踏めば、自己負担を抑えて修理を行える可能性があります。
屋根修理に使える補助金・助成金
国や地方自治体では、住宅の改修や省エネ対策を支援するために、屋根修理やリフォームにも活用できる補助金・助成金制度を多数設けています。修理の内容によっては、屋根修理の相場よりも費用を抑えられるケースもあります。
【国の補助制度】
・住宅エコリフォーム推進事業
・長期優良住宅化リフォーム推進事業
・既存住宅における断熱リフォーム支援事業
・住宅省エネ2024キャンペーン
・次世代省エネ建材の実証支援事業
・介護保険法にもとづく住宅改修費の支給
・子育て支援型共同住宅推進事業 など
【地方公共団体の補助制度】
・東京都台東区 住宅修繕資金融資あっせん制度
・東京都目黒区 住宅リフォーム資金助成
・東京都品川区 住宅改善工事助成事業(エコ&バリアフリー住宅改修) など
介護や子育て、省エネ対策などの条件を満たせば、屋根修理やリフォーム費用の一部補助を受けられる可能性があります。リフォームの予算を立てる前に、国土交通省やお住まいの自治体のホームページを確認し、利用できる制度を調べておきましょう。
地方公共団体の制度を検索できる便利なサイトとして、
「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」
ただし、これらの補助制度は主に自然災害による被害修繕や省エネ・バリアフリー改修などを対象としています。経年劣化による屋根修理やリフォームについては、補助の対象外となることが多いため注意が必要です。
屋根修理の費用についてよくある質問
続いて、屋根修理に関するよくある質問に回答します。
屋根の修理に助成金は利用できますか?
屋根の修理に、国や自治体が実施している助成金を活用できることがあります。一例として、目黒区が実施している「住宅リフォーム資金助成」があげられます。制度の概要は、以下の通りです。
| 対象 | 目黒区民が所有する目黒区内の居住用住宅 |
| 助成の種類 | 区内業者による自宅の一般リフォーム工事(一般リフォーム工事)など |
| 助成金額 | 工事費用の10%(一般リフォーム工事の上限は10万円) |
| 申請方法 | 必要書類を目黒区の住宅課へ提出 |
「区内業者による自宅の一般リフォーム工事」の工事内容として、屋外改修工事があげられています。屋根・外壁などの改修工事の対象は、区分所有登記をしていない一戸建て住宅です。以上の他にも、屋根修理に活用できる助成金はあります。お住まいの自治体などで確認するとよいでしょう。
出典:目黒区「住宅リフォーム資金助成」
関連記事:屋根修理で助成金を適用するための条件と申請の手順・注意点について
瓦屋根・スレート屋根の修理費用の目安は?
瓦屋根・スレート屋根の修理にかかる費用の目安は工法で異なります。基本的には、スレート屋根のほうが割安です。参考に、葺き替え工事にかかる費用の目安を紹介します。
| 工法(葺き替え工事) | 費用の目安 |
| スレート屋根 | 70万円~180万円 |
| 瓦屋根 | 150万円~250万円 |
具体的な費用は、屋根の状態や屋根材のグレード、依頼する業者などで異なります。見積もりをとって確認することが大切です。
【まとめ】屋根修理の費用相場はどのくらい?
ここでは、屋根修理にかかる費用の相場を解説しました。かかる費用は、修理の内容、屋根の面積、使用する屋根材のグレードなどで異なります。また、屋根の種類や工法なども費用に影響を与えます。以上を踏まえたうえで、相場を示すと5万円~250万円程度といえるでしょう。実際にかかる金額を把握したい場合は、業者から見積もりをとることが大切です。
実績豊富で信頼できる業者をお探しの方は、大手リフォーム会社の下請けで経験を積んだ「屋根のエイト」にご相談ください。屋根の状態にあわせて、最適なご提案をさせていただきます。
監修者
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名前:山下 夏樹
役職:施工管理部
資格:福祉住環境コーディネーター3級 クレーン運転士 玉掛け フルハーネス特別教育
経歴:
高校卒業後、建設業の太陽光パネル設置・ゼネコンの雑工などを経て2013年に株式会社福原工業へ入社。
主に積水ハウスリフォームの屋根工事を担当し、職長として多数の物件を施工し経験を積む。
その後、2020年屋根のエイトに入社。
大手で培った技術力を生かし、お客様に安心して長く暮らしていける屋根工事を提供できるよう心掛けている。
