破風板の修理方法と交換費用を徹底解説!

お住まいを見上げたとき、屋根の側面、切妻屋根の「△」の部分についている板に、このような劣化のサインを見つけたことはありませんか?この板は「破風板(はふいた)」と呼ばれ、普段あまり意識されることのない部材ですが、実は、あなたの大切な住まいを風雨や火災から守る、非常に重要な役割を担っています。

この破風板の劣化を「小さなことだから」と放置してしまうと、やがて雨漏りを引き起こし、屋根や壁の内部構造を腐らせるなど、大規模な修繕が必要な深刻な事態に発展しかねません。

この記事では、屋根修理の専門家として、見落とされがちな「破風板」に焦点を当て、その役割から具体的な修理方法、そして気になる交換費用まで、皆様が抱える疑問に一つひとつ丁寧にお答えしていきます。

劣化のサインを見逃さず、適切なタイミングでメンテナンスを行うことが、結果的に家の寿命を延ばし、将来的な修繕コストを抑えることに繋がります。この記事を読んで、破風板の重要性とその正しい対処法をぜひ知ってください。

破風板の修理方法

破風板の劣化状況によって、修理方法は大きく3つに分けられます。

それぞれの特徴と、どのような状態のときに選ぶべきかを解説します。

破風板の交換工事

既存の劣化した破風板を完全に撤去し、新しい破風板に取り替える工事です。劣化が内部まで進行し、腐食や変形が見られる場合に選択される、最も根本的な解決方法です。

新しい破風板の素材には、伝統的な木材のほか、現在では耐久性・耐火性に優れた窯業系(ようぎょうけい)サイディング製のものが主流となっています。

下地の状態までしっかりと確認し、必要であれば補修も行えるため、最も安心感の高い工法といえます。

破風板の再塗装

破風板の素材自体には大きなダメージがなく、表面の塗膜(塗装)だけが劣化している場合に行われるメンテナンス方法です。

高圧洗浄で汚れを落とし、ケレン作業で古い塗膜を除去した上で、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りを行うのが基本です。

美観を回復させるとともに、塗装によって防水機能を復活させ、破風板自体の寿命を延ばすことができます。

外壁塗装や屋根塗装と同時に行うのが最も効率的です。

破風板金

「カバー工法」とも呼ばれ、既存の破風板の上から、ガルバリウム鋼板などの薄い金属板を被せて覆う工法です。

既存の破風板を撤去する必要がないため、廃材処分費がかからず、工期も比較的短く済みます。

ガルバリウム鋼板は錆びにくく、耐久性が非常に高いため、一度施工すれば長期にわたってメンテナンスフリーに近い状態を保つことができます。

ただし、内部の腐食が深刻な場合には適用できず、交換工事よりも費用は高くなる傾向があります。

破風板修理の費用相場

破風板の修理費用は、選択する工法と施工する長さ(m)によって決まります。

また、忘れてはならないのが、高所作業であるため必ず足場の設置が必要になるという点です。

以下の費用相場は、足場代を含まない、破風板の工事のみの金額となります。

修理方法 費用相場(1メートルあたり)
再塗装 1,500円~3,000円
板金カバー工法 4,000円~7,000円
交換工事 5,000円~9,000円

 

【一般的な住宅での費用目安(足場代別途)】
一般的な2階建て住宅(切妻屋根)の場合、破風板の長さは合計で20m~30m程度になります。

  • 再塗装の場合: 3万円~9万円
  • 板金カバー工法の場合: 8万円~21万円
  • 交換工事の場合: 10万円~27万円

交換工事の費用が他の工法より高くなるのは、既存の破風板を撤去する手間(解体費)と、その廃材を処分する費用が別途かかるためです。

また、下地の木材(破風下地)まで腐食していた場合は、その補修費用も追加で必要になります。

しかし、劣化が内部まで進行しているにも関わらず、費用を抑えようとして表面的な塗装やカバー工法で済ませてしまうと、内部で腐食が進行し続け、数年後にさらに大規模な工事が必要になる可能性があります。

根本的な解決を図り、長期的な安心を得るためには、状態に応じた適切な工事を選択することが最も重要です。

破風板の劣化が及ぼす危険性

「たかが板一枚」と、破風板の劣化を軽視してはいけません。

放置することで、お住まい全体を脅かす深刻な危険性へと繋がっていきます。

雨漏り

破風板は、屋根の内部(野地板や垂木といった構造部分)を風雨から守る役割を担っています。破風板の塗装が剥がれ、腐食して隙間ができると、そこから横殴りの雨などが吹き込み、屋根の内部へと侵入していきます。

これが、屋根の軒先からの雨漏りの直接的な原因となります。

一度雨漏りが発生すると、天井のシミやカビだけでなく、建物の構造自体を弱らせてしまいます。

破風板の落下

木製の破風板は、腐食が進行すると強度が著しく低下します。ボロボロになった破風板は、強風や地震の揺れによって、ある日突然、剥がれ落ちてくる危険性があります。

もし落下した破風板が通行人や隣家の所有物(車など)に当たってしまった場合、重大な人身事故や物損事故に繋がり、多額の損害賠償を請求される事態にもなりかねません。

屋根材や外壁材の腐食

破風板の隙間から侵入した雨水は、屋根の内部だけでなく、外壁を伝って壁の内部にも染み込んでいきます。

壁の内部には断熱材や柱があり、これらが湿気を含むことでカビが発生したり、腐食したりします。

断熱性能の低下や、シロアリ発生の原因ともなり、お住まいの資産価値を大きく損なうことになります。

破風板は、屋根と壁の境界を守る、重要な防水ラインなのです。

破風板が劣化する原因

破風板は、なぜ劣化してしまうのでしょうか。

その主な原因は、屋根の先端という非常に過酷な環境に置かれていることにあります。

日光

破風板は、屋根の中でも特に太陽光(紫外線)を直接浴びやすい場所です。紫外線は、塗料の成分を分解し、色褪せやチョーキング(白い粉が吹く現象)を引き起こします。

この塗膜の劣化が、破風板の防水機能を低下させる最初のステップとなります。

風雨による腐食

破風板は、屋根の中でも特に太陽光(紫外線)を直接浴びやすい場所です。紫外線は、塗料の成分を分解し、色褪せやチョーキング(白い粉が吹く現象)を引き起こします。

この塗膜の劣化が、破風板の防水機能を低下させる最初のステップとなります。

積雪

雪の多い地域では、屋根に積もった雪が破風板に常に接触している状態になります。雪解け水が長時間滞留することで、破風板は常に湿った状態に置かれ、腐食の進行が著しく早まる原因となります。

また、雪の重みによって物理的なダメージを受けることもあります。

破風板の修理を依頼する業者の選び方

破風板の修理は、どこに依頼すれば良いのでしょうか。失敗しない業者選びのポイントは、「塗装工事にも対応できる屋根修理業者」に依頼することです。
破風板は屋根の一部であり、その状態を正確に診断し、適切な修理方法(交換、カバー、塗装)を判断するには、屋根に関する専門知識が不可欠です。

また、修理には塗装が伴うことがほとんどであり、足場の設置も必要になります。
お住まい全体のことを考え、ワンストップで最適なメンテナンスを提案してくれる、信頼できる屋根修理業者を選ぶことが重要です。

破風板のメンテナンスサインを見逃さないようにしよう

見落としがちながらも非常に重要な「破風板」の修理方法と交換費用について、詳しく解説しました。

破風板の小さな劣化は、お住まい全体が発しているメンテナンスのサインです。

そのサインを見逃さずに、早めに対処することが、結果的に大きな修理費用を防ぎ、家の寿命を延ばすことに繋がります。
「うちの破風板、そろそろ危ないかもしれない…」 「屋根全体の点検も兼ねて、一度プロに見てほしい」
もし、少しでもご自宅の破風板に不安を感じたら、ぜひ屋根のエイトにご相談ください。
私たちは、屋根修理と塗装工事の両方に精通した専門家集団です。

最新のドローンなども活用し、お客様自身では確認できない破風板や屋根の状態を、隅々まで正確に診断いたします。

そして、交換、塗装、カバー工法の中から、お客様のお住まいの状態とご予算に合わせた、最適な修理プランを誠実にご提案します。