屋根の劣化が気になり、リフォームを検討されている方も多いのではないでしょうか。
屋根材にはさまざまな種類がありますが、近年注目を集めているのがガルバリウム鋼板です。
軽量で耐久性に優れ、建物への負担が少ないことから、多くの住宅で採用されています。
本記事では、ガルバリウム鋼板で屋根をリフォームする際の費用相場や工事の内訳、メリット・デメリットを解説します。
ほかの屋根材との比較や費用を抑えるポイントもお伝えしますので、屋根リフォームの参考にしてください。
ガルバリウム鋼板による屋根リフォームとは?
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛、シリコンを組み合わせた合金でメッキされた鋼板のことです。
従来のトタン屋根に比べて錆びにくく、耐久性が3〜6倍ほど高いという特徴があります。
軽量なため建物への負担が少なく、耐震性の向上にも効果的です。
屋根リフォームにはおもに2つの方法があります。
既存の屋根材を撤去して新しい屋根材を設置する「葺き替え工事」と、既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねる「カバー工法」です。
どちらの工法を選ぶかによって費用や工期が変わるため、自宅の状況に合わせた検討が必要です。
ガルバリウム鋼板で屋根をリフォームする際の費用相場
ガルバリウム鋼板で屋根をリフォームする場合、30坪程度の住宅で葺き替え工事は140〜200万円、カバー工法は80〜150万円が目安となります。
工事方法によって費用が大きく異なるため、自宅の屋根の状態に合わせて適切な方法を選ぶことが大切です。
以下の表に、工事の内訳と費用の目安をまとめました。
| 工事項目 | 費用目安 |
|---|---|
| トータル費用(葺き替え) | 140万円〜200万円 |
| トータル費用(カバー工法) | 80万円〜150万円 |
| 足場設置 | 5万円〜15万円 |
| 既存屋根の撤去 | 20万円〜30万円(葺き替えのみ) |
| 下地補修 | 15万円〜25万円 |
| ルーフィング(防水シート)設置 | 5万円〜10万円 |
| ガルバリウム鋼板設置 | 50万円〜70万円 |
上記はあくまで目安であり、屋根の面積や形状、既存屋根の種類によって異なります。
土葺きの瓦屋根の場合は、土の撤去と処分費用が別途かかるため、さらに費用が高くなることがあるでしょう。
正確な費用を把握するためには、専門業者による現地調査と見積もりが欠かせません。
ガルバリウム鋼板屋根の種類
ガルバリウム鋼板屋根には複数の種類があり、それぞれ見た目や価格、適した屋根勾配が異なります。
メッキ層が柔らかく加工しやすい素材のため、複雑な形状の屋根にも対応できることが大きな特徴です。
以下の表に、おもな種類と工事単価をまとめました。
| 種類 | 工事単価(1㎡あたり) | 特徴 |
|---|---|---|
| 横葺き | 6,000〜8,000円 | デザイン性が高く、洋風住宅に人気がある |
| 縦葺き | 5,500〜6,500円 | 水はけがよく、緩勾配でも対応可能 |
| 瓦調葺き | 8,000〜1万2,000円 | 瓦の見た目を維持しつつ大幅に軽量化できる |
横葺きはもっとも普及している工法で、多くのメーカー製品が対応しています。
縦葺きは勾配が緩い屋根でも施工可能なため、幅広い建物に適用できるでしょう。
瓦調葺きは価格が高めですが、和風住宅の雰囲気を残したい方に選ばれています。
どの種類を選ぶかは、住宅のデザインや予算、屋根の形状によって決まるため、専門業者と相談しながら検討することをおすすめします。
ガルバリウム鋼板屋根にリフォームするメリット
ガルバリウム鋼板屋根には、ほかの屋根材にはない優れた特徴があります。
リフォームを検討する際は、以下のメリットを正しく理解しておくことが大切です。
- 耐震性が向上する
- 室内の気温上昇を防げる
- 屋根の長期的な維持が可能になる
これらのメリットにより、ガルバリウム鋼板は多くの住宅で選ばれています。
メリット①耐震性が向上する
ガルバリウム鋼板は軽量で、瓦屋根と比較すると重さは約10分の1程度です。
屋根が軽くなると建物の重心が下がり、地震の揺れによる影響を受けにくくなります。
とくに築年数の古い住宅では、屋根を軽量化することで建物全体の耐震性能が向上する効果が期待できるでしょう。
瓦屋根から葺き替える場合、建物への負担が大幅に軽減されるため、地震対策としてガルバリウム鋼板を選ぶ方も増えています。
日本は地震が多い国であるため、屋根材の軽さは住宅選びの重要なポイントといえます。
メリット②室内の気温上昇を防げる
近年のガルバリウム鋼板製品には、遮熱塗装が施されたものが多く販売されています。
遮熱塗装とは、太陽光を反射して熱の吸収を抑える加工のことです。
この塗装により、夏場の直射日光による屋根表面の温度上昇を軽減できます。
一般的な金属屋根と比べて、室内温度の上昇を抑える効果が期待できるでしょう。
さらに断熱材一体型の製品を選べば、より高い断熱効果を得られます。
冷房効率の向上により、光熱費の節約にもつながる点も魅力です。
メリット③屋根の長期的な維持が可能になる
ガルバリウム鋼板の耐用年数は30年から40年といわれており、適切なメンテナンスを行えばさらに長持ちします。
アルミニウムと亜鉛の合金メッキにより、錆びに強く劣化しにくい構造になっているためです。
また、積雪や風雨、塩害にも強い耐性を持っています。
沿岸部や積雪地域でも安心して使用できる屋根材といえるでしょう。
リフォームによって新築同様の美しい屋根に生まれ変わり、長期間にわたって住まいを守ってくれます。
メンテナンス頻度も少なく、長い目で見るとコストパフォーマンスに優れた選択です。
ガルバリウム鋼板屋根にリフォームするデメリット
ガルバリウム鋼板屋根にはメリットが多い一方で、注意すべき点もあります。
以下のデメリットを把握したうえで、導入を検討することが肝心です。
- 屋根の形状によっては水が溜まりやすい
- 別途断熱材を設置する必要がある
- 葺き替え工事の費用が高い
メリットとデメリットを比較して、自宅に適しているか判断しましょう。
デメリット①屋根の形状によっては水が溜まりやすい
ガルバリウム鋼板は、勾配が緩い屋根や平らな陸屋根には適していません。
水はけが悪いと屋根に水が溜まり、浸水や腐食の原因になる可能性があります。
ガルバリウム鋼板はアルカリ性に弱いという特性があることも覚えておきましょう。
屋根に落ち葉や木くずが溜まると、そこに含まれる木酢液によって表面が変色するおそれがあります。
周囲に木が多い環境では、定期的な清掃が必要です。
立地条件や屋根の形状によっては、ほかの屋根材を検討したほうがよい場合もあります。
デメリット②別途断熱材を設置する必要がある
遮熱塗装により直射日光の熱を軽減できると説明しましたが、金属製の屋根材である以上、断熱性能には限界があります。
夏は熱を通しやすく、冬は冷気を伝えやすい性質を持っているためです。
快適な室内環境を保つには、屋根下や屋根裏に別途断熱材を設置する必要があります。
断熱材一体型の製品を選ぶか、工事の際に断熱材を追加することで対策できます。
ただし、追加工事を行うと費用が上乗せされる点には注意しなければいけません。
デメリット③葺き替え工事の費用が高い
既存の屋根材を撤去して新しく設置する葺き替え工事は、カバー工法に比べて費用が高くなります。
撤去費用や廃材処分費用がかかるためです。
30坪程度の住宅では、葺き替え工事とカバー工法で20万円から50万円ほどの差が出ることもあります。
ただし、下地の状態が悪い場合や雨漏りがある場合は、葺き替え工事を選ぶべきです。
カバー工法では下地の傷みを確認できず、将来的に大きな修繕が必要になるリスクがあります。
費用だけでなく、屋根の状態に応じた工法選びが大切です。
ガルバリウム鋼板屋根とほかの屋根材の違い
屋根材にはガルバリウム鋼板以外にもさまざまな種類があります。
それぞれ耐用年数や価格、メンテナンス頻度が異なるため、比較したうえで自宅に適した屋根材を選びましょう。
以下の表に、おもな屋根材の特徴をまとめました。
| 屋根材 | 耐用年数 | 価格(1㎡あたり) | メンテナンス周期 | 重さ |
|---|---|---|---|---|
| ガルバリウム鋼板 | 30年〜40年 | 5,000〜1万円 | 10年〜15年 | 軽い |
| ジンカリウム鋼板(石粒付き) | 30年〜50年 | 8,000〜2万2,000円 | 不要 | 軽い |
| スレート | 10年〜35年 | 4,000〜1万円 | 10年 | やや軽い |
| セメント瓦 | 20年〜40年 | 5,000〜1万2,000円 | 10年〜20年 | 重い |
ガルバリウム鋼板は、耐用年数と価格のバランスがよく、コストパフォーマンスに優れた屋根材といえます。
軽量で建物への負担が少ないため、屋根のリフォームでは高い採用率を誇っています。
一方、ジンカリウム鋼板はメンテナンスが不要という利点がありますが、初期費用が高めです。
スレートは価格が安いものの、定期的なメンテナンスが必要となります。
それぞれの特徴を踏まえて、長期的な視点で屋根材を選ぶことが大切です。
ガルバリウム鋼板屋根にリフォームする際の勾配の目安
ガルバリウム鋼板屋根の種類によって、適した屋根勾配が異なります。
勾配とは屋根の傾斜角度のことで、水はけや施工方法に影響する要素です。
以下の3つの種類ごとに、適した勾配を紹介します。
- 横葺き
- 縦葺き
- 瓦調葺き
ご自宅の屋根勾配を確認し、適した種類を選ぶ際の参考にしてください。
横葺き
横葺きは、屋根材を水平方向に重ねて設置する工法です。
デザイン性が高く、洋風住宅やモダンな住宅によく採用されています。
適した勾配は2〜2.5寸以上(約11.31〜14.04度以上)が目安となります。
勾配が緩すぎると水が流れにくくなり、雨漏りのリスクが高まるためです。
見た目の美しさを重視しつつ、十分な勾配が確保できる屋根であれば、横葺きがおすすめです。
縦葺き
縦葺きは、屋根材を軒先から棟に向かって縦方向に設置する工法です。
水が屋根の傾斜に沿って流れやすいため、雨漏りしにくいという特徴があります。
適した勾配は、0.5寸以上(約2.9度以上)と緩やかでも対応可能です。
勾配の緩い屋根や複雑な形状の屋根にも施工しやすく、汎用性の高い工法といえます。
施工費用も比較的抑えられるため、コストを重視する方にも適しています。
瓦調葺き
瓦調葺きは、ガルバリウム鋼板を瓦のような形状に加工した製品を使用する工法です。
瓦の重厚感のある見た目を維持しながら、大幅な軽量化を実現できます。
ガルバリウム鋼板の屋根は、緩い勾配から急勾配まで幅広く対応可能です。
瓦屋根から葺き替える際に、外観の雰囲気を変えたくない方に人気です。
価格はほかの工法より高めですが、和風住宅との相性は抜群といえるでしょう。
ガルバリウム鋼板屋根のリフォーム費用を抑えるポイント
ガルバリウム鋼板屋根のリフォームは決して安くはありません。
少しでも費用を抑えるために、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 自社施工の業者に依頼する
- 複数の業者から見積もりを取る
- 低価格なガルバリウム鋼板屋根を選ぶ
これらを実践することで、品質を保ちながら費用を削減できます。
自社施工の業者に依頼する
リフォーム費用を抑えるには、自社で職人を抱えている業者に依頼することが効果的です。
下請け業者に工事を外注する会社の場合、中間マージンが発生して費用が高くなります。
自社施工の業者であれば、中間マージンがかからないぶん、同じ品質の工事でも費用を抑えられるでしょう。
職人と直接やり取りできるため、細かい要望も伝えやすいというメリットがあります。
業者選びの際は、自社施工かどうかを確認することをおすすめします。
複数の業者から見積もりを取る
屋根リフォームの費用は業者によって異なるため、複数の業者から見積もりを取ることが大切です。
最低でも3社程度から見積もりを取り、価格や工事内容を比較してください。
見積もりを比較することで、適正価格を把握できるだけでなく、不要な工事が含まれていないかもチェックしましょう。
ただし、極端に安い業者には注意が必要です。
手抜き工事や追加費用の請求といったトラブルにつながる可能性があります。
価格だけでなく、実績や対応の丁寧さも含めて総合的に判断するのがおすすめです。
低価格なガルバリウム鋼板屋根を選ぶ
ガルバリウム鋼板製品には、価格帯にかなりの幅があります。
断熱材一体型や遮熱塗装付きの高機能製品は価格が高めです。
予算に限りがある場合は、シンプルな製品を選ぶことで費用を抑えられます。
ただし、断熱性能が必要な場合は、別途断熱材の設置費用がかかる点に注意しましょう。
初期費用だけでなく、長期的なランニングコストも考慮して製品を選ぶことが重要です。
業者に相談しながら、予算と性能のバランスが取れた製品を選んでください。
まとめ
ガルバリウム鋼板での屋根リフォームは、葺き替え工事で140万円から200万円、カバー工法で80万円から150万円が費用の目安です。
軽量で耐久性に優れたガルバリウム鋼板は、耐震性の向上や長期的なメンテナンスコストの削減といったメリットがあります。
一方で、断熱材の追加が必要になる場合や、屋根の勾配によっては適さないケースもあります。
費用を抑えるには、自社施工の業者に依頼し、複数社から見積もりを取ることが効果的です。
専門業者に現地調査を依頼して、自宅に最適なリフォームプランを相談してみてはいかがでしょうか。
